小島啓安

 博士(工学)

 名古屋大学 客員教授

 

 

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スパッタリングプロセスによる薄膜事業の 研究・開発・生産 をサポートします。

  長期から短期まで各種コンサルティング業務

  • プラスチック,ガラス、金属基板など
  • 多品種少量生産、量産装置など
  • 金属膜、化合物膜、傾斜膜、多層膜など
  • 装置開発、改造、コストダウン,密着性,アーキング(異常放電)などのトラブル対策まで
  • 気軽にご相談ください。

日刊工業新聞社より「現場のスパッタリング薄膜 Q&A」第2版を出版しました。437ページ3560円税込みです。初版に比べて、プラズマ密度の測定、ロータリーカソードなどの追加、および新しく”未来へ”という項目で、今後のスパッタ膜の可能性を考えてみました。

 

この本は、初めてスパッタリングで薄膜の作製をしたり開発する方のための手引書として、また薄膜技術者の参考書として利用して頂けるように具体例をたくさん載せました。

現場にいれば、失敗から学ぶことも多いと考えて、敢えて失敗例も加えました。

本の内容についてのご意見、ご質問がありましたら、お気軽にご連絡ください。

ご連絡お待ちしております。 earth-tech@r9.dion.ne.jp 小島宛

 

コンサルティング料金に関しましては、

ご要望内容によって、ご希望を相談させていただきます。

スパッタ技術をもっと活用して頂き、多少の社会貢献もできたら良いかと思っております。

どうぞお気軽にご相談ください。

スパッタ装置を初めて扱う方、生産上でのトラブルで困っている方、革新的なスパッタ方式を考えたい方など.....

歓迎します。 

 

 オープンイノベーションが注目されています。グローバル市場での競争の激化、消費者ニーズの早い変化に対応するために、従来型の自前主義の閉鎖的方法ではなく、必要な研究開発能力、技術、を広く外部市場から調達し効率的なイノベーションを目指すいわゆるオープンイノベーションが世界の潮流となってきています。これらの動きに、貢献することが、目標です。

 


 

スパッタリングのキーワード

スパッタを行うに際して生じる重要な現象や、スパッタで用いる電源など最近の動向を踏まえてスパッタのキーワードを選んでみました。ロールコーターは、フィルム基板に必要ですし、開発補助手段として、シミュレーションの活用も期待されています。

 



トピックス:スパッタリングと密着性向上

薄膜コーティングにおける密着性は、製品化する場合に大変重要なコンテンツです。コーティングは、基板の表面に薄膜をスパッタして作成し、様々な機能を付加することで、新たな価値を創成します。そこで密着性が悪く剥がれてしまったら、コーティングの役割は果たせませんし、価値が無くなってしまいます。生産現場にて、密着性を向上する、密着性を維持した安定な生産条件を構築することは、コーティング製品の必須条件です。

密着性を向上するポイント

①基板、ターゲット及びチャンバー内の清浄化

②基板と膜の相互作用の最大化 物理的なアンカー効果、化学的な反応による結合効果

③薄膜全内部応力の最小化

 

これ等のポイントを考えながら、密着性を向上するスパッタプロセス条件を検討します。スパッタ条件は、多くの場合にトレイドオフの関係にあります。使用する装置のコンポーネント(電源、カソード、アノード、ガス配管、排気ポンプ、モニター、基板搬送機構など)の最適化を図りながら、スパッタ条件を決定します。また、アーキング(異常放電)には、注意が必要です。ターゲットなどに、痕跡がないかチェックしたら良いかと思います。

トピックス2:スパッタリングと膜質向上

スパッタリングによってできる膜は、再現性が良く、均質であることが利点です。しかし様々な条件によって、目的とした膜が成膜出来ません。膜質を向上させ、均一な膜を安定して作るためには、何が必要でしょうか?

膜質向上対策としてのポイント

①ガス導入の均一性

②プラズマの均一性

③スパッタ条件の適正な組み合わせ

 

ガスが均一にターゲット表面に供給されているか、プラズマはカソード上で均一に生じているか、経時変化はないか、またスパッタパラメーターとして、T-S(ターゲット基板)間距離は適正か、ガス圧力、パワー、温度などをチェックする必要があります。できるだけプロセスをリアルタイムで把握するには、各種モニターを活用することが好ましいです。発光モニターは、有効な手段の一つです。同時に、アーキング(異常放電)をチェックすることも必要です。大きなアーキング(異常放電)のみでなく、マイクロアーキング(小さな異常放電)も監視することも重要です。また、電力方式は、エネルギー源として重要ですのでRF、DC,パルスなど、どの方法にするかよく検討する必要があります。欲しい膜ができた場合には、コストが重要ですので、スケールアップを見据えながらのプロセス選択となります。

トピックス3:スパッタリングと膜ダメージ

スパッタリングを用いた成膜でしばしば問題になるのは、基板、あるいはすでにコーティングした膜へのダメージです。ITO膜などでは、酸素負イオンなどが議論されています。ここでの提案としては、以下の3点を挙げておきます。

①成膜速度の高速化

②アーキング(異常放電)の極小化

③プラズマ技術の高度化

 

成膜速度を高速化することにより、ダメージが加わる時間の短縮(主として反応性スパッタでの高速化)、アーキング(異常放電)の生じる条件を極小化(ロータリーカソードを用いた全面エロージョン化とパルス、サイン波などの波形の最適化)、デュアルロータリーカソードとアクティブアノードを併用することで、カソード電圧を下げ、アクティブアノードによる電子捕捉の効率化によるダメージ抑制など。

反応性スパッタでの高速成膜制御の応用例/

光学膜

レンズ、プリズムなどに使う反射防止膜、フィルターなどの光学膜は、基板がガラスから樹脂に変わりつつあります。レンズなどに使う透明で硬いプラスチックは、ガラス転移点が低く、低温での成膜が必要です。光学膜は、従来、蒸着プロセスが主流でしたが、低温で密着性の良いスパッタ膜へ変わりつつありますが、従来のスパッタ方式では、成膜速度が遅く、基板温度上昇が大きな問題となります。PEM(プラズマエミッションモニター(コントローラー))を用いた高速成膜方法は、基板温度を上げずに、密着性の良い膜を作成可能です。

 装飾用膜

時計、デジタルカメラや、携帯電話など多くの商品でその外観に、鮮やかな色が求められています。PEMを使った方法としては、2通りあります。一つは、ZrNx,TiNx膜などの窒化物を使って、遷移領域制御によりその化学量論性を高めて、この膜のxを1.0に近づけて金色を出す方法、2つ目は、金属膜の上にTiO2などの透明膜をつけ、2層にして干渉色を使う方法です。この場合には、透明膜の厚さを変えれば、多くの鮮やかな色が出せますが、膜が厚いために高速に成膜出来ることが、コスト、基板温度の面で鍵となります。

透明導電膜

タッチパネルや有機ELなど市場が広がっています。ITOを例にとりますと、2通りあります。1つは、ITOターゲットを使う場合、比抵抗値を最適に保つためのO2ガス導入の自動化です。酸素空孔量を制御するために、O2ガスを微量導入しますが、ターゲットのIn発光値を用いてO2量を制御することにより達成します。2つ目は、ITターゲットを使った高速成膜です。TiO2膜やSiO2膜と同様に金属の発光(ここではIn)を制御することにより、遷移領域制御してITO膜を高速成膜します。

バリア膜

プラスチック基板を用いて、有機ELなどのフレキシブル化を行うには、水、酸素などのバリア膜が不可欠です。透明バリア膜には、SiOxNy膜のような多元の組成が有望視されていますが、このような膜の高速化も可能です。またSiO2膜からSi3N4膜に徐々に変化する傾斜膜も有効と考えられますが、導入するガス組成をO2からN2に徐々に変えることで出来ます。密着性も重要です。そこで内部応力を減らすために、ポリマーなどを挟んで多層化も行います。多層化は、ピンホールなどの膜欠陥による貫通を防ぐためにも必要です。

光触媒膜

TiO2膜のアナターゼ型の結晶構造が必要とされています。触媒活性を出すには、結晶粒が小さく、酸化還元の程度が重要となります。TiOx膜のxの値を制御するのに、遷移領域制御が有効です。プラズマ発光で制御する発光のポイントを変えることで、xの値を微量調整することが可能となります。

 ハードコーティング膜

ドリルやバイトなどに用いられるハードコーティングでは、密着性と同時にコストが重要です。密着性の向上には、スパッタ粒子エネルギーを増大するためのパワーアップ、コストダウンには、高速化が必要になります。

GENCOA社(プラズマエミッションモニター:PEM)製品のお問い合わせ

技術、仕様: アーステック 電話 090-2642-4150 または

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見積、注文: 富士交易 入学 電話 06-6398-6760 FAX 06-6393-3930

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シンポジウム、セミナー情報
  • 日本表面真空学会:ナノ構造機能創成専門部会 次回は、2018年11月 東京工業大学 大岡山開催 予定 
  • 表面技術協会
  • 日本テクノセンター:2018年8月10日 スパッタセミナー「スパッタリング・蒸着プロセスの基礎と製品開発への応用」

 

執筆記事情報
  • 日刊工業新聞社:2008年8月「現場のスパッタリング薄膜Q&A」の本を出版。384ページ 3150円(税込) 小島啓安著
  • 真空ジャーナル:2008年1月号(Vol116)に、特集記事「高速スパッタリング」の解説
  • (株)情報機構:2007年8月「ディスプレー光学部材における薄膜製造技術」に、「スパッタリングにおけるトラブル対策」執筆
  • (株)技術情報協会:2007年7月「ぬれと(超)撥水、(超)親水技術、そのコントロール」に、「大気圧プラズマ親水化処理によるFPD基板洗浄技術への応用」執筆
  • コンバーテック 2008年10月号「現場に見るスパッタ法による薄膜化技術と応用」  など執筆掲載
  • (株)技術情報協会2009年1月「スパッタ実務Q&A集」 反応性スパッタ、ターゲットなどに関するQ&A執筆
  • 加工技術研究会 2009年10月 「新コーティングのすべて」に 「現場に見るスパッタ法による薄膜化技術と応用」執筆
  • シーエムシー出版 2011年3月「ロールtoロール技術の最新動向」に「ロールtoロールスパッタプロセスにおける成膜速度の向上」執筆
  • シーエムシー出版 2011年4月 「最新ガスバリア薄膜技術」に「反応性高速スパッタ技術」執筆
  • サイエンス&テクノロジー 2012年8月「フィルム加工トラブル対策技術」に「スパッタリングにおける成膜過程の問題」執筆
  • (株)技術情報協会2013年4月「フィルム成型・加工とトラブル対策」に「ロールtoロールプロセスにおける成膜速度向上と膜欠陥への対策」執筆
  • (株)技術情報協会2013年6月「光学薄膜の最適設計・成膜技術と膜厚・膜質・光学特性の制御」に「反応性高速スパッタ法による光学薄膜の作製技術と膜質制御」執筆
  • 表面技術協会2013年7月特集「最近のスパッタリング動向」に「低ダメージのためのロータリーカソード技術と高速成膜技術」を執筆
  • 日刊工業新聞社:2015年2月「現場のスパッタリング薄膜Q&A」第2版を出版。437ページ 3560円(税込)
  • 表面技術協会2016年12月特集「車載用カメラの反射防止膜技術」を執筆
  • 表面技術協会2017年12月特集「最新のPVD技術」執筆 

 

 

 

 

「現場のスパッタリング薄膜Q&A」初版、第2版の解説ページを載せました。

 

 

スパッタリングのコンサルタントを始めてから15年が経ちました。お陰さまで、多くの会社の研究開発や製造に関わらせて頂きました。有難うございました。今後共、よろしくお願い申し上げます。

また、日刊工業新聞社から発行致しました「現場のスパッタリング薄膜Q&A]も、大変好評頂きました。有難うございます。ささやかですが、スパッタリングを含めた薄膜技術や事業を通じて、社会に貢献出来たら嬉しいと思っています。

 

初版を出版してから10年、第2版からは3年経ちました。スパッタリングを用いた製品・プロセス開発あるいは製造現場では、様々トラブルに出会います。一般的にお問合せが多い薄膜のトラブルとしては、密着性とアーキング(異常放電)、膜質向上の問題があります。回答を試みて頂くとスパッタの理解のお役に立つかと思います。密着性の設問は4問、アーキング(異常放電)2問入れました。

 

  • Q1密着性とガス圧力は関係ありますか?                              186p,196p                                                         
  • Q2密着性の向上には、十分な基板洗浄が不可欠ですが、どのような方法がありますか?                              19p,  19p
  • Q3ターゲットへの電力の投入量は、どんなファクターで制限されますか?                146p, 155p
  • Q4アノード消失とはどのような現象でしょうか?                           153p, 163p
  • Q5デュアルカソードは、シングルカソードに比べてメリットはありますが、2つ挙げてください。     136p,141p
  • Q6回転カソードは、プレーナーカソードと比べてアーキング(異常放電)を減少させるのに有利ですが、なぜですか?   _ _ _ 133p
  • Q7アーキング(異常放電)は、なぜ起きるのですか? 対策は?                    148p,159p
  • Q8パルス電源が多く使われるようになりましたが、デューティー比とはなんですか?             --------      59p   
  • Q9密着性にとって、T-S間距離は注意事項ですがなぜですか?                     204p, 218p 
  • Q10密着性を向上させるには、どうすれば良いですか?                                   203p, 217p

 ご質問は 右記へ  earth-tech@r9.dion.ne.jp

         

 


コーヒーブレイク

                                    *****昨年の春、神奈川県立花菜ガーデンにて*****

現場のスパッタリング薄膜基礎講座へ(ブログ)

 

今月の話題ということで、毎月スパッタ、プラズマ、その開発について関連したテーマを取り上げ紹介するコーナーを作りました。内容としては、論文、トピックス、スパッタに関する用語などを考えています。スパッタの初心者にも役立つかと思います。

ここでは概略を記載し、ブログには少し詳しく書きたいと思いますので、興味のある方は、どうぞブログにもお立ち寄りください。

今月は、スパッタの参考書冊目の紹介です。

 

プラズマ気相反応工学 提井信力 小野茂 著 内田老鶴圃  (2000)238ページ

 

スパッタリングを薄膜形成プロセスとして利用する場合に、そこで生じている現象を理解するには、プラズマについての知識が欠かせません。気相反応の基本である粒子間の弾性および非弾性衝突過程、プラズマの生成と制御、気相空間における粒子反応の重要な計測手段である分光法について、基礎的に分かりやすく解説されています。特に、プラズマの生成と制御の項には、プラズマパラメーターの制御について解説があり、プラズマパラメーターの形成を支配する3つの要素として、入力、気体、装置が挙げられており、これを具体的に検討することはすなわちスパッタでの最適プロセスを構築することに通じますし、定常状態におけるプラズマパラメーターの制御では気体の種類及び流速による制御の項目があり、スパッタでの最適条件を見つけるときに大変参考になるかと思います。最近では、スパッタプロセスにパルスを使うことが多くなっていますが、アフターグロープラズマ中の温度と密度についての項目も大変参考になるかと思います。

 

 

第1章 序論 プラズマの反応基礎過程  プラズマ粒子の弾性衝突過程で平均自由工程、衝突周波数、衝突断面積、衝突頻度

拡散係数などが解説されます。プラズマ粒子の非弾性衝突過程の中で、エネルギー吸収による電離、励起および解離反応過程の説明があります。

第2章 プラズマの生成と制御1 実用的なプラズマは、基本粒子である電子と正イオンのほかに、実際には多くの種類の中性粒子が混在しています。これらの粒子の密度と温度(又はエネルギー状態)をプラズマパラメーターと呼んでいます。プラズマパラメーターの3要素である入力、気体、装置について具体的に説明されています。パルスアフターグロープラズマについては、低温高密度プラズマを生成するためにも、重要な観点かと思います。

第3章 プラズマの生成と制御2 各種プラズマの生成方法について解説されています。パッシェンの法則、有磁場の場合のECRやヘリコン波、無磁場の場合のプラズマ生成法の誘導結合プラズマや表面波励起プラズマがあります。 

第4章 プラズマの診断1 プラズマ分光法の基礎的事項として原子、分子の発光と光吸収の説明があり、発光励起種の測定、その密度測定があります。 

第5章 プラズマの診断2 非発光ラジカル種の新しい計測法としてレーザー吸収法があり、さらにレーザー誘起蛍光法が紹介されています。 

第6章 プラズマの診断3 分光器の原理と実際として、分光器の基礎、分光測定システム、スペクトルの同定、解析について具体的にその方法を述べています。

第7章 プラズマ気相反応を用いた各種応用 プラズマの応用として、ここでは主として環境技術についての応用が出ています。

全体として、図も多く分かり易く説明がされています。特に1~4章までは、お勧めします。

  

ブログに、この本で特に興味を持った箇所など少しだけ具体的に書きたいと思います。興味のある方は、見てください。

 

Up dated 2018,7,15